村上椅子

2005-12-01

おでかけ

ワニからダチョウ


今日は朝からバー(?)での現場仕事です。行ってみるとすでに改装済みの店内は、なんだか妖しい雰囲気。壁の一部は真っ赤なペンキで塗られていて、窓にはピンクのフィルムが貼ってあり、小振りのシャンデリアと銀色のボールチェーンがチャラチャラと下がっています。なかなかおもしろいなと思いましたが、そこで仕事をするとなると、困ったものです。壁の赤さに目がちかちかして手元も良く見えないし、だんだん周りはグリーンに見えてきます。そんな中、ソファを張り替えました。以前の張り地は、ワニ柄のビニールレザー。それが今度はオーストリッチ、ダチョウで、ずら-っと鋲で仕上げます。何ともはげしい内装デザインでした。
順調にお昼で仕事を終え、最近日曜もなく働いていたので昼からは臨時休業ということに。
実家の近くの小さなキリスト教会で、世界的なオルガニスト、松居直美さんのコンサートが行われるので行ってみました。生でチェンバロの音を聴くのも、実際にチェンバロを見るのも初めてで、ピアノとは違う素朴な音や楽器の蓋に描かれた優美な花や植物の紋様とともに、心地よい音楽を味わうことが出来ました。そう言えば、純粋に何も考えずに音楽を聴くなんてこと最近なかったなあ。
その後、余韻に浸りながら京都府立植物園へ。黄色いいちょうの葉のじゅうたん、ふわっとしただいだい色のメタセコイヤの大木、水面に映る燃えるような真っ赤なもみじ、大きく空に向かってアーチを描く、クスノキの緑のトンネル。どれも本当にきれいで、晴れ晴れした気持ちになれました。
激しい前半から一転、心やすらぐ有意義な一日となりました。
村上椅子のページ

2005-11-28

作業風景

のれん

今日は座蒲団32枚とベンチシート6つ、ノレンを4枚納めてきました。
古い日本家屋を改装したお好み焼きと韓国料理のお店です。
なぜ椅子屋がノレンをかというと、ふつうのノレンではないのです。
オーナーさん考案、椅子生地ノレン。部屋とバックヤードのしきりを、椅子張り用のビニールレザーでを作ろうということになったのです。
幅90cm、高さ210cmのビニールレザー裏表2枚あわせのノレンは結構な重さで、縫うのは少し肩が凝りましたが、現場で合わせてみたら、なかなかいい感じ。
「これからこのノレン、はやるで~」とはオーナーさんのお言葉、気に入っていただけて良かったです。

村上椅子のぺ-ジ

2005-11-25

作業風景

めくり


比叡山の上で買ったガーデニング用手袋を使ってみました。
と言ってもガーデニングするわけではありません。

椅子の張り替えにはつきものの、古い生地を剥がす作業(めくり、とよんでいます)のときに使うのです。これがけっこう大変な作業。生地を木の枠にとめている、古い釘やタッカーの針を一本一本ニッパーで抜いていくのです。そのうち手は痛くなってきて、ひどい時にはまめだらけに。
以前勤めていたところでは、こんな仕事してたらおっさんみたいな手になるぞ、と言われました。が、そこは負けず嫌い(意地っ張り)な私。逆に、仕事人の手になってやろうじゃないの!と素手でめくっていました。その結果少しは手も丈夫になりましたが、やっぱり痛いものは痛い。
というわけで今は、ついに意地を張るのはやめにして、軍手を使うようになりました。
そこでこの間から気になっていたのは、ガーデニング用のかわいらしいもの。やっと手に入れました。使ってみると、ちゃんと滑り止めのポツポツもついていて、薄手ながらなかなかいい感じ。爽やかなそら色にグリーンとピンク花柄の手袋、これを使えば大変なめくりもこれからは少しは楽しんですることが出来そうです。
椅子の張り替え 村上椅子のページ

2005-11-24

おでかけ

打ち上げ遠足


昨日は、風邪もようやく治りそうな感じで、以前から予定していた比叡山へのドライブでした。
山頂にあるガーデンミュージアム比叡の中にあるギャラリーで、この間のグループ展でお世話になったギャラリーの方が展覧会をされているで、紅葉を見にいきがてら行ってみたのです。
最近どこにも出かけていなかった私は、すでに比叡山ドライブウェイに向かうまでの道のりで大喜び。街路樹も加茂川ぞいの並木も、なんてきれいに色づいているんでしょう。
もちろんドライブウェイに入ってからも、『はぁ~、綺麗…(溜息)』の連発。
真っ赤な紅葉を十分楽しんだところで、目的地に到着です。
ギャラリーでは、パンなどの静物画と、アートフラワーのブーケやオブジェの二人展が行われていて、展覧会の題名通り、『ゆったりとした時間』を過ごすことが出来ました。
その後は我が家でグループ展打ち上げ&反省会です。今後もよりよい展示会にしていければいいなと思います。それにしても、はじめてのボタン鍋、おいしかったな~。

村上椅子のページ

2005-11-18

作業風景

にわか革職人


今日の私のしごとは革の椅子の補修。金属のフレームに分厚めの革のシートが被せてあるイスで、背中と座面のつなぎ目部分の糸が劣化して切れてしまっているので、一つ一つミシン目の針の穴を拾って手縫いしていきます。こういうカバー式の椅子は、ベルトがついていたり金具でとめたり、普段の椅子張りではしないような工程があります。
本革はこまめなお手入れが必要ですが、年季の入ったその椅子の革はすっかり堅くかさかさになってしまっています。座面の下のあまり表に出ていない部分と比較したら、色も質感も違いは一目瞭然。でも古くなればその風合いも味となって、そこが革の良さでもあるのかも。
一方、イスオさんのしごとも革。こちらは別注のハイバックソファの製作です。
お手入れに手間がかかってもずっと使いたいから本物の素材がいいとのお客様のご要望で、本革で作ることになりました。
裁断する前には、傷や虫さされの跡がないかを念入りにチェックします。幸いなことに今回はほとんど傷のない高品質なものが手に入り、ロスなく使うことができました。
新しい革はとても柔らかくしなやか。椅子張り用の革は大きな洗濯機の様なものでまわして柔らかくするのだそうです。
大きな革張りソファ、ミシンもかけ終わり、次は張っていく工程です。どんな仕上がりになるか楽しみです。
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