村上椅子

2006-03-22

張り替え

張替完了


三日間の祇園の張替しごと、無事終わってお納めしてきました。
濃いグレーから爽やかな黄色へ張り替わったら、お店もぱぁーっと明るくなりました。結構大きな面積をしめているから、椅子を張替えるだけでがらっと印象が変わるものです。ただ最初はいいけど汚れが目立ちそう…。
今回は椅子をめくりに助っ人にきてもらい、はじめは二人でめくってイスオさんが張っていき、途中からは私も張りにまわって順調に終わりました。
当たり前ですがひとり増えるだけではかどり方が全然違います。
ほんとに助かりました。持つべきモノはよき友です。
しごとに限らず、いろんな面でたくさんの友人に助けられてやってきた気がします。
ありがたいなぁ。

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2006-02-23

張り替え


今日は古い椅子の張り替えの仕上げ。
鋲(びょう)を打っていきます。
生地を細い紐状にしたものを背中や座面のふちにぐるっと回し、その上に鋲を一つずつ金づちで打ち込んでいきます。
今回使ったのは亀甲鋲とよばれるもので、亀の甲羅のように面がとってあり、細かい刻み模様が入っている鋲。
あまりピカピカしていないので、今回のような古い椅子にはよく似合います。
ちょっと年配の職人さんは、鋲で留めるなんて古くさい、と思われるようですが(昔はそんなのばっかりされてたからかな)、私にとってはかえって新鮮というか、レトロな感じでなかなかいいなと思います。
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2006-01-18

張り替え

ばね、初挑戦


この間に引き続き、またバネを吊った古い椅子の張り替えの依頼がきました。
今度は食卓用の椅子4脚。
いつもイスオさんがやっているのをちらちらと見ていましたが、今日は『やってみる?』とのお言葉。初めてバネに挑戦です。
木わくの座のまわりには藁をぎゅっとまとめて麻布でくるんで釘でとめて、ぐるりと縁が作ってあります。その内側に縦横に張った麻のテープの上に四つのコイルバネを置いて、縦、横、斜めにバネヒモでくくりつけてきっちりと固定します。
難しいと思ったのはは先がマグネットになった金づちに釘を付けて打つこと。これが、簡単そうに見えて、思い通りのところに命中させるのが意外にむずかしいのです。しかも、左手は左手で、バネをくくりつけていくヒモを思いきり引っ張って締めてないといけないので、慣れてくるまでは大変でした。だんだんスムーズな動きでできるようにはなってきましたが、体で覚えるには数をこなさないといけません。でも、めったにこないバネの椅子の張り替え。次回まで、ちゃんとやり方をおぼえてられるでしょうか…。
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2006-01-14

張り替え

古い椅子張り替え2


この間めくっていた古い椅子が、このように生まれ変わりました。
生地は暖かみのあるモケットで、ベージュとグリーンの2色で2脚ずつ。古い木の肘の部分ともしっくりなじんでいます。
バネを吊りなおしたいすは座り心地も抜群。やっぱりウレタンだけの物とは弾力が違います。
手間も費用もかかりますが、張り替えの場合はできる限りもともとのやり方で椅子を蘇らせたいと思っています。
こうやって、古いものを大切に使ってくれる人がもっと増えてくれるといいなあ。
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2006-01-10

張り替え

古いいす張り替え


きょうのしごとは古いイスの張り替え。
生地は長い年月を経て色褪せ、傷んでしまっていますが、肘や脚の木部がなめらかなカーブに削りだされた、シンプルながらきれいなかたちのイスです。
底を見てみると、麻のテープが切れてしまって、それにとめてあったコイル型のバネもバラバラになっています。
ということで生地を剥がしてまるはだかにしていきます。
現在はウレタンを使ったイスが主流で、バネを吊ってあるイスを張り替えたりすることはあまりありません。うちに来てくれている材料やさんによると、京都より椅子屋が多い大阪でも、そういう椅子を張り替えられる若い人はいないんじゃないかという話。まだまだ若造な私もやったことありません。いすおさんは貴重な人材なのね。
こういうイスはすべて釘でとめてあります。口に釘を含んで一つづつ『いすや金づち』と呼ばれる片方がマグネットになった金づちに付けて打っていくのです。
金づちと釘のかわりにタッカーという便利な道具ができたり、ウレタンという新素材が普及したことで、必要とされる職人の技も変わってきました。でも、椅子張り職人と言えるには、そういうことも出来ないと…。
まずは技は見て盗めですね。がんばります。

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