村上椅子

2006-04-30

張り替え

ホッチキ祭り


張り替えの椅子の古い生地をはがしていくと、目を疑うほどの大量のタッカーの針がでてきました。その様子を、助っ人に来てくれている友人O氏が命名(正確にはタッカー祭りかも)。
普通は釘を抜いた上で新しく生地を張るのですが、時間がなかったり手をぬいたりするのに針を残して張り替えるひともいるのです。
しかし。今回はそれがどうやら4度目!
古い生地の破片が残されているのでわかります。赤いモケット、ベージュの花柄のモケット、茶色のモケット。そして今張り替える前のはベージュの花柄の生地。そのそれぞれの針がほとんど残されているのです。
これだけ針が残っているとさすがにもう打つ所がなくなってくるし、何よりきれいに張れません。
ということで、一所懸命針を抜いていく作業。普通に張り替えするより相当手間がかかります。ちゃんと抜いておいてくださ~い…。
それにしても、業務用とはいえ4回も張り替えて使ってもらえる椅子はそうそうないと思います。
新しい生地は真っ白で織りで模様が入った布。
これからまた、何年使ってもらえるのでしょうか。

村上椅子のページ

2006-03-22

張り替え

張替完了


三日間の祇園の張替しごと、無事終わってお納めしてきました。
濃いグレーから爽やかな黄色へ張り替わったら、お店もぱぁーっと明るくなりました。結構大きな面積をしめているから、椅子を張替えるだけでがらっと印象が変わるものです。ただ最初はいいけど汚れが目立ちそう…。
今回は椅子をめくりに助っ人にきてもらい、はじめは二人でめくってイスオさんが張っていき、途中からは私も張りにまわって順調に終わりました。
当たり前ですがひとり増えるだけではかどり方が全然違います。
ほんとに助かりました。持つべきモノはよき友です。
しごとに限らず、いろんな面でたくさんの友人に助けられてやってきた気がします。
ありがたいなぁ。

村上椅子のページ

2006-02-23

張り替え


今日は古い椅子の張り替えの仕上げ。
鋲(びょう)を打っていきます。
生地を細い紐状にしたものを背中や座面のふちにぐるっと回し、その上に鋲を一つずつ金づちで打ち込んでいきます。
今回使ったのは亀甲鋲とよばれるもので、亀の甲羅のように面がとってあり、細かい刻み模様が入っている鋲。
あまりピカピカしていないので、今回のような古い椅子にはよく似合います。
ちょっと年配の職人さんは、鋲で留めるなんて古くさい、と思われるようですが(昔はそんなのばっかりされてたからかな)、私にとってはかえって新鮮というか、レトロな感じでなかなかいいなと思います。
村上椅子のページ

2006-01-18

張り替え

ばね、初挑戦


この間に引き続き、またバネを吊った古い椅子の張り替えの依頼がきました。
今度は食卓用の椅子4脚。
いつもイスオさんがやっているのをちらちらと見ていましたが、今日は『やってみる?』とのお言葉。初めてバネに挑戦です。
木わくの座のまわりには藁をぎゅっとまとめて麻布でくるんで釘でとめて、ぐるりと縁が作ってあります。その内側に縦横に張った麻のテープの上に四つのコイルバネを置いて、縦、横、斜めにバネヒモでくくりつけてきっちりと固定します。
難しいと思ったのはは先がマグネットになった金づちに釘を付けて打つこと。これが、簡単そうに見えて、思い通りのところに命中させるのが意外にむずかしいのです。しかも、左手は左手で、バネをくくりつけていくヒモを思いきり引っ張って締めてないといけないので、慣れてくるまでは大変でした。だんだんスムーズな動きでできるようにはなってきましたが、体で覚えるには数をこなさないといけません。でも、めったにこないバネの椅子の張り替え。次回まで、ちゃんとやり方をおぼえてられるでしょうか…。
村上椅子のページ

2006-01-14

張り替え

古い椅子張り替え2


この間めくっていた古い椅子が、このように生まれ変わりました。
生地は暖かみのあるモケットで、ベージュとグリーンの2色で2脚ずつ。古い木の肘の部分ともしっくりなじんでいます。
バネを吊りなおしたいすは座り心地も抜群。やっぱりウレタンだけの物とは弾力が違います。
手間も費用もかかりますが、張り替えの場合はできる限りもともとのやり方で椅子を蘇らせたいと思っています。
こうやって、古いものを大切に使ってくれる人がもっと増えてくれるといいなあ。
村上椅子のページ