村上椅子

2007-03-27

張り替え

シエスタ


はたまた椅子を入手しました。
相当汚れているのと、ちょっと好みではないかなあというのとで
迷ったのですが、やっぱり捨てられると聞いたらほっとけません。

あとからわかったんですが、ノルウェーのシエスタという椅子だそう。
60年代にノルウェーで流行したプライウッドを使った椅子のひとつみたいです。
フレーム部分がしなって心地よく、たしかにうとうと居眠りしそうな椅子です。
クッションを新しくして、似合うオットマンを作ったら、もっと良くなりそう。

どんな革で張り替えるか、考えたら楽しくなってきました。
また、きれいになったら発表します。

村上椅子のHPはこちら

2007-03-09

張り替え

ばね見学


知り合いの椅子張りやさんから、バネを吊る仕事があると聞いて
見せてもらいにいってきました。

60年ほど前の椅子だそう。
今ではこういうバネを使った椅子は珍しく、
しかも張り替え依頼がきても手数がかかるため、
バネを吊るのをやめて板をいれてしまったり、
別の簡易なバネで代用する人もいます。
でも、せっかくの座り心地と、この技術。
残していきたいものです。

自分でもこれまで何度かやったことはありますが、
いすおさん以外の職人さんの仕事を見せてもらうのは実は初めて。
てきぱきと釘を打って糸を張り、ばねを留めていかれました。
さすが熟練の技、体が覚えているという感じの動きです。
口に釘を含んで喋りにくい中、細かく説明もして下さり、
やり方を再確認したり、あやふやだった所がはっきりしたり、
とても勉強になりました。

こうやって先輩の技を見せていただけるのはとても幸せな事だと思います。
もっともっと、いろいろ知りたくなりました。

村上椅子のHPはこちら

2007-03-02

張り替え

お似合い


今日の椅子。
とても綺麗な紫色のびろうど調の生地(モケット)で張り替えました。
もともとの木の色やカーブのきれいな猫脚、鋲仕上げという
椅子の雰囲気にぴったりです。

椅子生地で人気があるのは茶、ベージュ系。
それもいいけどちょっと無難な感じ。
色を選ばれる場合は薄めのグリーンや黄色が結構多いです。
このあたりは部屋が明るくなっていいですね。

今回のような紫は、たまにしか選ばれない色だけど、
お客さまの選ばれたときから、これは絶対いい!と思っていました。
思いきって紫にされて良かった!

椅子の色を選ばれる時は、ちょっと冒険してみるのも楽しいですよ。
意外に部屋に馴染むものです。

村上椅子のHPはこちら

2007-02-07

張り替え

昭和初期のいす


今回イスを引き取りに行ったのは、以前そばを通って
なんだか雰囲気のある建物だなあと気になっていたところ。
偶然、中に入る機会に恵まれました。

入り口でまず目に入ったのは可愛らしい色合いのステンドグラスの窓。
扉をあけて中に入ると薄暗く厳かな雰囲気で、絨毯の敷かれた回廊があり、
各部屋の木の扉が並んでいます。

そこは、とある大学の研究所なのです。
「スペインの僧院を模したロマネスク様式+東洋風」で昭和初期に建てられ、
文化庁の登録有形文化財に指定されているそうです。

今回引き取りに行った椅子もその時あつらえて作られたもののようですが、
文化財とされているのは建物だけのようで、
椅子は新しいものを購入されたため、捨てられるところだったそうです。
そこで働かれている方が個人的に張り替えて使おうと思って下さったおかげで
一命をとりとめた訳ですが、こうやってたくさんの古い椅子が捨てられて
いってるのだと思うと、とても残念です。
せっかく保存されている建物も、中に並ぶのがよくあるオフィス用の椅子
というのでは、なんだか寂しいですよね。

日本人はまだまだ家具には無頓着な気がします。
実際使う上で不便なことなどもあるのでしょうが、もう少し家具にも関心を持ってもらえればなあとおもいます。

村上椅子のHPはこちら

2007-01-30

張り替え

冬眠


古い椅子のなかからこんな物が。

張り替えるときに、もともとはいっていた詰め物の藁を
再利用するためほぐして詰めなおしていたところ、
みのむしがでてきました。

いつから眠っていたんでしょう?

村上椅子のHPはこちら