村上椅子

2007-02-07

張り替え

昭和初期のいす


今回イスを引き取りに行ったのは、以前そばを通って
なんだか雰囲気のある建物だなあと気になっていたところ。
偶然、中に入る機会に恵まれました。

入り口でまず目に入ったのは可愛らしい色合いのステンドグラスの窓。
扉をあけて中に入ると薄暗く厳かな雰囲気で、絨毯の敷かれた回廊があり、
各部屋の木の扉が並んでいます。

そこは、とある大学の研究所なのです。
「スペインの僧院を模したロマネスク様式+東洋風」で昭和初期に建てられ、
文化庁の登録有形文化財に指定されているそうです。

今回引き取りに行った椅子もその時あつらえて作られたもののようですが、
文化財とされているのは建物だけのようで、
椅子は新しいものを購入されたため、捨てられるところだったそうです。
そこで働かれている方が個人的に張り替えて使おうと思って下さったおかげで
一命をとりとめた訳ですが、こうやってたくさんの古い椅子が捨てられて
いってるのだと思うと、とても残念です。
せっかく保存されている建物も、中に並ぶのがよくあるオフィス用の椅子
というのでは、なんだか寂しいですよね。

日本人はまだまだ家具には無頓着な気がします。
実際使う上で不便なことなどもあるのでしょうが、もう少し家具にも関心を持ってもらえればなあとおもいます。

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