村上椅子

2015-04-28

張り替え

革のソファ張り替え

あっという間に4月も終わり。
(いつも、こんなことを言っているような気もしますが、、)
店の軒下に這わせている「むべ」と「あけび」が旺盛に育っています。
街中にあっても緑に覆われた、森のようにしたいというイメージに
少しずつ近づいて嬉しいのですが、ほどよく手を入れないと、
色んなものに巻き付いてえらいことになりそう。

さて、四月からおちびさん二号の保育園生活がスタート。
ならし保育に時間がかかるだろうし、ゆるゆる復帰しようかなー
なんて思っていたら、すんなり一週間で通常保育になり、
それと同時にするべき仕事が次々と。。
なんだか良くわからないまま、お仕事モードに戻っております。

そんなこんなで、先日張り替えたソファ。

もう30年程使われていたそうで、革も破れています。
それ以上にウレタンの劣化がひどく、
沈み込みが大きいので腰を痛めてしまわれたとのこと。

確かに座ってみると、ブワブワしてなんとも居心地が定まらず、
しんどいです。
北欧のメーカーのものだそうで、座高が少し高い上に
座面の傾斜が結構きついのも原因となっています。

このソファ、上の部分(座と背と肘)が一体化されていて、
ぼこっと乗せてあるんです。

座のウレタンを固めのものにして何度も座って試してみますが
それだけでは、どうもしっくり来ません。
フレームの傾斜は変えられないので、
ウレタン部分で傾斜をゆるくする工夫をし、奥行きも少し浅く。
背もたれもしっかり目のウレタンで補強して座り心地を改善しました。

今度は少し温かめの色の革を選ばれました。
デザインもスッキリと変更。
また使われるうちに良い感じに馴染んでくることでしょう。

ご依頼ありがとうございました。

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2014-10-28

張り替え

the Story of My Life

安楽椅子の張り替えをご依頼いただきました。

上の写真は張り替え後のすがた。
張り替え前の写真をいつものごとく撮り忘れたので
変貌ぶりをお伝えできないのが残念です。
3~40年程前のカリモクの製品で、緑色のゴージャスな
花模様の張り地に滑らかな形のツヤ塗装のアーム。
当時よく流行ったのでしょうね。このシリーズの応接セットなど、
どこかで見た事のある椅子だと思います。

その椅子を、素敵に変身させられないかというご相談で
色の組み合わせでいくか、柄でいくか、悩むところ、、。
シンプルに布の力を借りようと、このユニークな張り地をご提案したところ
すぐに気に入っていただき話が進みました。

近づいてみて見ると、人の顔やら動物やら椅子やら
いろんなものが賑やかに描かれています。
タイトルは the Story of My Life、Maira Kalmanのデザインです。
モダン過ぎず、かといって古くさくなく、可愛らしすぎず
ほどよくクセがある。なかなか無い柄物です。

色は落ち着いていますが個性的な柄の布の力のおかげで、
最初は気になって変えたかったテカテカしているアーム部分は
そのままでも良いかなということになりました。

クッションのマチとぐるりについていたヒダヒダはやめて、
細いパイピングを回すシンプルな形に変え、
背もたれには共布でカバーを添えました。先には小さなタッセルを。

合わせてオットマンも欲しいとのことで、
ちょうどよさそうな物を見繕い、同じ生地で張り替え。
側面のマチ部分は柄の中の一色と合わせた黄緑色の別布で。
椅子の座のクッションの裏も同じ生地で揃えてあります。
シンプルなオットマン、木部の雰囲気は違いますが、
同じ布を張ることでゆるい統一感が出て良かったのではないでしょうか。

町家の縁側でゆったりと、気持ち良さそうですね。

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2014-06-06

張り替え

ロック製作所さん 張替編

先月の張り替えのお仕事。
引き上げてきたときの様子はこちらです→

良い感じに色あせたブルーが素敵なソファ、4脚です。
腰掛けたら沈み込みがちょっとしんどい。
クッションも本体に張ってあるテープもくたびれ模様です。

最初は全部張り替えようかということだったのですが、
このストライプのクッション部分が張ってあるのではなく
くるみボタンで留めつけてあるタイプだったので、
一度外して洗濯して再利用してはとご提案しました。

こんなふうに上と下にばらせます。
そして薄いグレーの本体部分のみを張り替え、
クッション部分は中身を出して洗濯。
クッションの中身はもう少ししっかりしたものに交換しました。

さて、もう一種類の椅子、こちらも4脚。
色あせてくたびれております。
低めのシートと、畳ズリ(ソリのような部分)。
木枠の楔(くさび)どめの印象的な、日本的な椅子です。

古い生地をめくると、オレンジ色の粉々になったクッション(通称赤ゴム)が。
現在使われているウレタンフォームの出てくる一時代前の素材です。

麻のテープも伸びて切れています。背もたれは藁が詰めてありました。
釘を全て抜いて、下ごしらえからやり直し。

いつものことなのですが、ここからはだだーっと作業に集中してしまうため、
写真を撮るということはすっかり頭になくなってしまうのです。。

というわけで、次回は飛んで納品編です。

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2014-06-04

張り替え

お屋敷のソファ 納品編

さてさて、なにやら楽しそうな様子。
いったい何が始まるのでしょう。

わっしょい、わっしょい。

まずは車の上に上げ、瓦屋根の上を通って

よいしょ!!

ソファが大きくて、階段から上げられないので
二階の窓から運び入れました。

心配をよそに、皆さんの協力であっけなく終了。

・・・

狭い作業場で見ていると大きいし、まっピンクだしで
目がチカチカ。どんななるんやろ、、と正直なところ思っていたのですが
さすが!!なんともすんなり、部屋に馴染んでいました。
この色柄をインテリアに取り入れられるセンスには感服です。
失礼いたしました。。

肘の外側、背もたれの後ろ側はベージュ色のモケットを組み合わせて。
トリム(縁飾り)には焦げ茶色をもってきて、メリハリをつけてみました。

肘の前のヒダも、元々に倣って細かくギャザーのように。
そして、普段使う大きな鋲ではなく、
細かい真鍮の釘で上品にとめました。

ひろびろ、明るく素敵な寝室ですね。

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2014-06-03

張り替え

お屋敷のソファ 張替編

先月とりかかっていた張り替えの様子を。

築百年以上たつお屋敷の改築にともなって、
蔵から立派なソファが運び出されました。

おじいさまが使われていたものを、この度張り替えて甦らせることに。
幅2メートルもある、重厚なソファ。細部まで丁寧な仕事がされています。

肘前のひだの取り方が美しい。

背面にぐるりとまわしてある飾りテープ。素朴で可愛いです。

さて、釘を抜いてめくっていくのも一仕事。
贅沢に材料を使った木枠があらわれました。
この厚みでこの幅はなかなかありません。

背もたれの裏から。
背中にもバネが仕込んであります。

表面の生地の次にある、下張り(白い布)をめくると獣毛の詰め物が。

肘にまでコイルバネが入っていますよ。

座面のバネは細い竹をフレームにして繋ぎ留めてありました。
細いからだで、よくがんばったなあ、とイスオさん。

さて、背もたれのバネは傷みがなかったので
支えているテープを補強し、肘のバネは吊り直し。
座は枠で組んだ、組みバネというものに交換しました。

ここからはいつものごとく、写真を撮り忘れ、、
ウレタン、綿で肉付けして形を作ったら、いよいよ裁断です。

選ばれたのは、こんな布!

フランスのモケットの柄生地、鮮やかなピンク色。
さてさて、どんなソファになるのでしょうか。

(つづく)

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