2019-01-30
デイベッド
暖冬とかいう話でしたが、1月になるとしっかり空気は冷たく、朝寒い寒いと自転車をこぎながらやっぱり冬はこうじゃないとね、とも思うこの頃です。今年は五本指靴下を重ねばきしているおかげか、小学生の頃から悩まされ続けたしもやけから解放され、もっと早くこうすればよかった!と、足の冷たくない快適さを喜んでいます。どうでも良い話ですみません。
さてこちらは先日アンティークショップさんの依頼で修理したデイベッド。普段はソファとして使い、ベッドにもなる、というものです。
ゴムのテープが劣化していたので、全て取り除き、ウェービングテープを縦横に張りました。
縁のタッカーの針を持ち込みのアンティークの麻テープで隠して。赤いラインが可愛いですね。
そして、マット(クッション)がなかったので、新しく作りました。
カバーは厚手の椅子生地で。フレームともに、きわめてシンプルな作りですが、すっきりいい感じ。背もたれにいろいろなクッションを並べたら素敵ですね。
作業場がせまくて写しきれません。
2018-09-26
CH30
Hans J Wegner デザイン、Carl Hansen & Son社の”CH30”の張り替えご依頼。
飴色に育ったフレームがいい感じです。一見普通のダイニングチェアに見えるのに、この座り心地の良さはなんでしょう。横に広い座面でゆったり座れることに加え、背もたれのアールの具合や微妙な角度、高さ。いろんな体型の人に対応できるように計算してデザインされているのでしょうね。そしてなんてことないけれど、美しい。
さて、裏側はこんな感じ。
座面の底の板は裏生地で隠さないのが、デンマークの椅子です。
布はほつれてこないよう、縁を折り曲げて打ち付けてあります。が均一に引っ張りながら釘で止めるのはなかなか難しかったのかそれともそんなことは気にならないのか、かなりラフな仕上がりですね。
中身のウレタン。
かなりボソボソになっていて、こんなお菓子あったなあと。
全てスッキリ取り替えて。お客様のご指名の、dopタンバリン柄(ミナペルホネン)で張りました。
この生地、表がピンク、裏は紫! いつの日かピンクの表地がかすれてきて下から紫色が出てきたら、どんな風になるのでしょう。
座面底の仕上がり。今はタッカーがあるので釘より大分楽ですが、よくある椅子と違って座面が本体から外れないので、なかなか張りにくいのです。
そして、完成した図を撮り忘れました。。ここまで書いておいてすみません。
ぱっと目を引く可愛らしい椅子になりましたよ。
(9/27追記)↓↓↓
日記をご覧になったお客様が写真を送ってくださいました。
ありがたいです!
2017-03-21
カラーブロックのソファ張替
最近張り替えた椅子、大きな肘が特徴的などっしりした張りぐるみソファ。
パキッっとした色使いも素敵で、なかなか存在感のある椅子です。
表面の布地はまだ大丈夫なのですが、中のウレタンがぐだぐだになっています。
めくってみればこのとおり。
崩れ落ちて何も入ってない部分も。
同じ色合いであれば、あとはお任せしますとおっしゃったので、こちらで在庫している布から選んでみました。
背もたれはちょっと緑がかった黄色で、爽やかに。
肘は左右バラバラでチャコールグレーのヘリンボーン柄と平織りのグレーにしてみましたが、どうでしょう。
中のウレタンも取り替えて、パキッとした元どおりのかたちを再現し、気持ちの良い仕上がりになったと思います。
それにしても、大きい…(写真では伝わりにくいですが)。
2017-02-06
張り替えいろいろ
張り替えのご依頼。
合皮から、がらっと雰囲気を変えて。
歩き出しそうな、可愛い椅子ですね。
そして同じお客様、こちらは二人がけのアーム付きソファの張り替え前。
雷にびっくりしてパニックになったワンちゃんがぼろぼろにしてしまった、、とのこと。
捨てようかとも思ったけれど、ホームページを見て、また生き返るならと思って、とご相談くださいました。
もちろん素敵に生き返らせましょう。
すみません、撮影場所があまり素敵ではないですが。
こちらも茶色い合皮から、アールグレイという色名の柔らかいベージュのコットンリネンにお召し替え。
もちろん座り心地もしっかりと直しましたよ。
ご依頼ありがとうございました。
2016-11-29
食卓椅子張り替え
ちょっと懐かしい昭和の雰囲気の椅子の張替え依頼です。
デンマークの椅子のデザインに影響を受けていると思われる、日本のメーカーの椅子。
洗練されきれず、やや線が太く朴訥な感じが、親しみやすくもあります。
色とりどりの端切れで破れを繕ったパッチワークがなんとも楽しく可愛らしくて、はがしていくのがためらわれますが、、。中身のウレタンも、もうボロボロです。
今回使うのは、お客様ご指定のこの布。
何度かこの日記にも登場している、ミナペルホネンのタンバリンです。
刺繍で丸い輪っかの連なりが描かれています。
そのタンバリン柄の新しい素材、”dop” は肌触りの滑らかなモールスキンの両面使いの布で、使い込むうちに表の糸が擦り切れて裏の色が現れてくる仕掛け。劣化していくのではなく、木材や革のように経年変化を楽しむ、という新しい発想によって作られたそうです。
背もたれの曲線がきれいですね。
柄の配置は2脚同じに。また、背もたれ、背の裏側、座面の柄もそれぞれ揃えています。(当たり前といえば当たり前のことなのですが。)裁断するとき考えてとるのはもちろんのこと、伸縮のある布で立体的なものを張るわけですから、手の感覚をたよりに力加減などもうまくやらないと、美しくは仕上がりません。
お母様から譲り受けられたというこの椅子、フレームはまったく緩みもなくしっかりとしていました。「そこまでして使ってもらって椅子も幸せやなあ」とお母様。そして「結婚10周年のいい記念となりました」とのお言葉。そんな素敵な節目のお手伝いをさせていただき、とても嬉しく思います。きっとこれからまた、擦り切れて青い色が覗くまで、活躍してくれることでしょう。
こんな風にして、変身して使い継がれる椅子がもっと増えたらいいなと思ったのでした。