村上椅子

2014-06-03

張り替え

お屋敷のソファ 張替編

先月とりかかっていた張り替えの様子を。

築百年以上たつお屋敷の改築にともなって、
蔵から立派なソファが運び出されました。

おじいさまが使われていたものを、この度張り替えて甦らせることに。
幅2メートルもある、重厚なソファ。細部まで丁寧な仕事がされています。

肘前のひだの取り方が美しい。

背面にぐるりとまわしてある飾りテープ。素朴で可愛いです。

さて、釘を抜いてめくっていくのも一仕事。
贅沢に材料を使った木枠があらわれました。
この厚みでこの幅はなかなかありません。

背もたれの裏から。
背中にもバネが仕込んであります。

表面の生地の次にある、下張り(白い布)をめくると獣毛の詰め物が。

肘にまでコイルバネが入っていますよ。

座面のバネは細い竹をフレームにして繋ぎ留めてありました。
細いからだで、よくがんばったなあ、とイスオさん。

さて、背もたれのバネは傷みがなかったので
支えているテープを補強し、肘のバネは吊り直し。
座は枠で組んだ、組みバネというものに交換しました。

ここからはいつものごとく、写真を撮り忘れ、、
ウレタン、綿で肉付けして形を作ったら、いよいよ裁断です。

選ばれたのは、こんな布!

フランスのモケットの柄生地、鮮やかなピンク色。
さてさて、どんなソファになるのでしょうか。

(つづく)

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2014-03-15

張り替え

おばあさんの椅子

古い椅子の張り替えご依頼です。
色も柄もとっても可愛い。
でも残念ながら随分傷んで座るのには心配です。
藁やホコリもどんどん出てきます。

底から。

バネを支えているテープもぎりぎりもっていると
いう感じでした。
全部取り除きます。

フレームは、シンプルにこれだけ。
でも背もたれの笠木を真っすぐではなく緩やかな曲線にとってあったり、
ちょっとした一手間がかけてあります。
そのおかげで、張りあがった時の雰囲気や、座り心地に違いが出ます。

出来上り。
コストと座り心地とのバランスのよい、S字バネを使いました。
明るいうぐいす色のフワッとした生地で。

面影をのこしつつしっかりと生まれ変わりました。
元々張ってあった生地の、綺麗な所でクッションでも作ろうかなと
お客様。そうやって、思い出を残せると素敵ですね。
ご依頼ありがとうございました。

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2014-02-28

張り替え

北欧椅子張り替え

恥ずかしいほどブログの更新ができず、二月が逃げていきます。
忘れないうちに二月のお仕事をひとつ記録しておきます。

革張りのアームチェアの張り替えご依頼。

肘も革が巻かれていて、滑らかなカーブが美しい。

背もたれの裏側は丸く削り出された木部を見せて。

低くて広めの座面はゆったりととても座り心地がよい椅子です。

黒い革の、このイメージを変えたいとのことで
初めはキャメルのような、明るい革の色を希望されていたのですが
お部屋の感じと、テーブルとの色の相性を考えて
こちらの落ち着いたチョコレート色をお薦めしました。

ただ普通に張り替えるのは嫌とのことでしたので
背のクッションの真ん中に、横のラインのステッチを入れて
少し雰囲気を変えてみました。

また、こだわられたのが座の裏側の布。
座のクッションの裏と、クッションをはずした本体の底には
別の布が使われており、普通はほとんど見えない所なので
色だけ合わせた適当なものが張られているのですが、
お客様は前々から、どうしてもうちょっとマシな布を使わないのか、、
と気になられていたそう。
人によって、こだわりはいろいろですね。
たしかに、コートでもちらりと素敵な裏地が見えると
それが自分にしか分からなくても、なんだか嬉しい気持ちになりますよね。

ということで、気に入られた小紋柄の裏地がちらりと見えるように
クッションの縫製を考えました。

うしろから。

黒と焦げ茶。サンプルで見ると似たようなトーンの色ですが
やっぱり茶色だと随分柔らかい雰囲気になります。

これからまた使い込まれていくうちに
馴染んで革独特のつやとしわがうまれ、よい雰囲気になることでしょう。

大変ご満足いただけて、私たちもほっとしました。
ご依頼ありがとうございました。

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2014-01-18

張り替え

ミニソファ張り替え

今日はなんだかたくさん人が歩いているなと思ったら、
お向かいにある大学ではセンター試験が行われていたようです。

寒い寒い毎日ですが、そうこういっている間に
卒業、入学の季節ですね。

そこで、一足早く
近くにある幼稚園の保護者のかたから、
卒園記念品のご依頼がありました。

毎年、卒園児から園にプレゼントを送るそうですが
今回は新しくモノを買うのではなく
ずっと使われていたこども用の小さなソファを
張り替えて贈ろうと企画されてのご依頼です。

布を被せてなんとか使われていましたが
実はこんな状態。。。
元気いっぱいな子ども達のことだから、
容赦なく座ったり、立ったり、
(跳んだりも??)してきたのでしょうね。
お疲れさま。

カラフルな布で可愛らしく変身しました。

そして、椅子の後ろがわには、、、

卒園児ひとりひとりの名前が刺繍されたテープを縫い付けて。
とても素敵な記念品になりました。
こどもたちも喜んでくれたらいいな。

字の読めるようになってきたうちのチビさん、
自分の名前はどこ??と探していました。
(ないんですけど、、)
そして気に入ったようで。
知らん間にこのいす売ったらあかんで!!と。

知らん間に幼稚園にお返ししました。

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2013-06-21

張り替え

50の赤い椅子

さて、先日からとりかかっている大量の古い椅子。
少しずつ増えて結局50脚にのぼりました。

フレームの塗装部分をきれいにしてもらって、
張り待ちの椅子達。

左が、元々の状態、右が塗り直し後です。

塗り直し、修理ができたものから、
どんどん張っていきます。

脚を切ったり、というアレンジも。
頭でっかちな感じがかわいい。

・・・

この、赤い椅子たち、
ずらっと三列に並んで、劇場の椅子になるのです。
京都市内の某所でただいま進行中の、小さな劇場を作る計画。
その客席に既製の椅子をただ並べるのではなく、
個性豊かな椅子たちに、赤い布という同じ衣を着せる事で、
公共性というイメージを持たせる、というコンセプトで
お話を持ち込まれ、お手伝いすることになったのです。

塗装や生地を剥がすのには、劇団の皆さんが数名ずつ通って来られ
村上椅子を活気づけてくださっています。

ガレージにて、椅子に囲まれせっせと作業。

ようやく半分ほどできあがりました。
全部並べば、かなり見応えがありそう、、楽しみです!

(つづく)

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