村上椅子

2012-03-28

張り替え

アイボリーのソファ

ほんとうに、1月、2月、3月と日が経つのが早いですね。。
またまた随分前のはなしになってしまいましたが
三人掛けのアイボリーのソファをお納めしてきました。

張り替え前の状態です。

20年程前に購入されたこのソファ。
もともとカバーリングタイプで
一度カバーを作り直されたそうですが、
コットン地のカバーは洗濯するとものすごく縮んでしまい、
苦労されたそう。また、本体のカバーは傷んでしまったため、
外した状態で使われていて、下地の張り部分も破れてきていました。

そういうわけで、このたび、お家のリフォームにあわせて
すっかり綺麗にしてしまおうと
本体の張り替え、カバーの製作のご依頼をいただきました。

まずは、本体の張り替えです。

下張り用の、さらっとした薄めの生地で張ります。
長い間使われていたのに、フレームはびくともしません。
座面クッションの下に入っているバネもだいじょうぶ。
ウレタンはさすがに、劣化しているので、取り替えましたが
とってもキッチリ作ってある印象をうけました。
特に、カバーをかけて使うため見えない部分でも、
きれいな手縫いで処理されているところをみて、
細やかな仕事だなあと、感心。勉強になりました。
(大手メーカーやブランドのものでも、開けてみれば
まあこんなものか、、というものが多いのです。)

さて、このパンと張られたソファに
さらにカバーを作ります。
座と背もたれのクッション三つずつ。
そして肘と背もたれ、座面すべてが繋がった、大きなカバーです。
カバーはまた、本体とは型がちがうため(ゆるめにつくる)
もう一度型を取ります。
二回張り替えをしているような感じ。
カバーって張り替えるより安く付くかしらと思う方も
多いようですが、結局同じように型をとらなければならず、
生地もたくさん要るし、さらに、裏(縫い代)の処理もしなければならないので
結構大変なのです。

今回ずいぶん悩んで選ばれた生地は、イタリア製のコットンリネン。
サラッと気持ち良く、表情のある布です。
洗濯によって縮むので、前もって一度水通しをしておきましたが
気兼ねなくまた洗ってもらえるように
かなりオーバーサイズにお作りしました。
いつもはぴっちり型をとって、ぴしっと張るしごとなので
この、大きめにつくるというのも、なかなか難しかったですが、、。
出来上がってみれば、ルーズな感じもこの布だから味があり、
麻ならではのシワ感もこのソファに似合っているのではないでしょうか?

白とグレーを基調にしたシンプルなお部屋に
麻のナチュラルな白さが良く合います。
洋書のインテリア雑誌に出てくるお部屋のよう。
お手持ちのクッションともちょうどぴったりでした。
新しくなったソファで、どうぞまたくつろいでくださいね。

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