村上椅子

2012-07-14

Re:椅子

水玉椅子

先日アップしたのがホームページに載せる間もなく
旅立ってしまったので、新しいRe:椅子、第二弾です。

飛騨産業の古いダイニングチェア。
背もたれのスポークがとても綺麗です。

塗装の状態があまり良くなかったので
すべて塗料をはがし、塗り直しました。

座面は黒とベージュの水玉模様で張り替え。
とても座り心地がよいですよ。

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2012-07-12

Re:椅子

Re:椅子いろいろ

新しいRe:椅子ができあがりました。

昭和の食堂椅子2タイプ。 sold out 早くも旅立ちました・・・

明るい色の木部が貴重なこの子は
深いブルーグレーのモケット生地で素朴にかわいく。

こちらは、木部の線の細さがとても美しい。
似たような椅子がたくさんある中、ここまで
きれいに削り出されたフレームはめったに見ません。
黄土色のベロア生地で上品な雰囲気に。

・・・

そして、人気の飛騨産業のアームチェア。

美しいかたち、軽さ、座り心地、すべてが揃っているこの椅子。
何度座ってみても、いいなあと思います。
我が家にも欲しいのですが、いつもすぐに売れてしまうのです、、。
残念ながら食卓で使うには低すぎますが、
低めの机とあわせてお仕事に、また、くつろぎの椅子にも。

ぜひ見にいらして下さい。

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2012-06-29

Re:椅子

家族のための椅子 2

前回の記事「家族のための椅子1」の続き。

さて、次は生地を選んでいきます。
全くおまかせとはいえ、ご依頼主さまはお仕事柄
たくさんの良いものを見てこられ、知っておられるし
色や素材に対する知識やセンス、こだわりもお持ちです。
それにかなったものを、と思うと、、、私たちも全力投球です。。

で、できあがったのが、この椅子たち。

こう書いてしまうと、これであっさり終わってしまいますが、
この生地選びが、すんなりはいきませんでした。

ここでも、椅子選びと同様、基本的には四脚で考えるというよりは
それぞれの椅子に、どんな生地が似合うかという選び方をしていきましたが
ダイニングセットとして1つの場所で使う事も考えると、全体の調和も大切です。
まず、娘さんの好きな色と、お母さんの肌触りの良い柄物の布という
ヒントをもとに、二脚のイメージを固め、進めていきました。
その後あとの二脚に色々な生地をあわせてみて四脚を並べ、
そのうちのどの二脚ずつが並んでも違和感がないよう、じっくり考えながらの作業となりました。

・・・

最初に娘さんの椅子には鮮やかなターコイズブルーのコットンリネンが浮かんだので
あっさりそれに決定。(これがゆくゆく悩む原因となっていくのですが、、)
次はお母さんのかわいい柄物探しです。
花柄というよりは、小紋柄かな??と探すうちに、海外の生地で、
トーンを抑えた色んないろの水玉が並ぶものを見つけました。
ばっちりやわーと喜んだのもつかの間、その色は廃色とのこと。
でもこの、ぽわぽわと起毛させた水玉が捨てがたいので、
思っていたよりポップなイメージにはなりますが、色違いのカラフルな水玉のものに。
全体をこれで張ると少しかわいすぎるので、
背もたれはマットなベージュの生地をあわせました。

お次はお父さん。この椅子は渋いグリーンかブルー系を
と思っていたのですが、どうも娘さんの椅子とかちあうので
悩んだ上に濃いブルーグリーンの風合いの良い上品な生地を。
座の前の角には三つずつ、黒い鋲を打ってさりげないアクセントとしました。

息子さんの椅子は、もともとのオレンジっぽい茶色がとても印象に残っていたので
オレンジ色でいろいろ考えましたが、どうしてもまとまらないので
本体は汚れが目立たないように、濃いグレーのウール混のプレーンな生地、
上に載せるクッションは、思い切って鮮やかなレンガ色(ほぼ赤)に。
この色は、実はお母さんの椅子の水玉の中のひとつと繋がっています。

さて、出来上り!と、ここであらためて並べてみると
ずっと他の椅子の生地選びのときにひっかかってきた
娘さんの椅子のターコイズブルーが、どうしてもしっくりこないのです。。。
やむをえず張り替えようと、他を選びますが
どれもこれもうーん、、、悪くはないけど何かがちがう。
最後に白をもってくることで、やっとかわいくおさまりました。
ぽこぽことした植物模様生地です。

さて、数ヶ月ごしで完成したのこのRe:椅子。
テーブルもご依頼いただいたので田中智章さんに製作をお願いし、
セットで新築のお宅に晴れて納品です!

お父さんとお母さん

こどもたち

高い天井、大谷石の床、黒い鉄板の間仕切り壁、薪ストーブに白い螺旋階段。
天然素材を吟味して各所に使った、住宅というよりは
まるでギャラリーのようなシンプルな空間に
ぽっとあかりがともったように、家族の集いの場所がうまれました。

納品まで完全にシークレットで打ち合わせなくすすめさせて
いただいたので、お気に召すかドキドキだったのですが
満足いただけたようで、胸を撫で下ろしました。

贅沢仕様のRe:椅子。世界にふたつとありません。
これから、この場所でご家族の温かい時間が刻まれていきますように。。

ご依頼ありがとうございました!

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2012-06-26

Re:椅子

家族のための椅子 1

もともと、椅子ってとても個人的なもので
それぞれに性格、人柄のようなものがあると思ってきましたが
まさにそういうご依頼をいただきました。

お題は「家族のための椅子」。
Re:椅子の「甦る感」を気に入ってくださった
建築家の上田智晴さんがご自邸を建てられるにあたって、
ダイニングチェアをRe:椅子で揃えたいので、
四人家族それぞれのために用意して欲しいと相談にこられたのです。

本来そういうかたちでの注文はお受けしていないのですが
バッチリ感性は合うので村上さんに完全にお任せします!
という上田さんの熱意(勢い?)に押されて引き受けることに。
なにより、ご家族で訪ねて来てくださってお話させてもらううちに
天真爛漫なかわいい2人のお子さんと、これまた朗らかでかわいらしい
奥さま、この家族のための椅子ってどんなだろう、と
私たち自身がわくわくしてきたのです。

さて、そんなことで始まった「家族のためRe:椅子」プロジェクト(おおげさ??)。
まずは古い椅子を集めることから。
漠然としたそれぞれの椅子のイメージはすでにあったのですが
このメーカーのこれ、と思って探すわけではなく、
偶然の出会いなどの中で集まったのが、この四脚。

充分に納期をいただいていたので、比較的すんなりと決まりました。
左から順に

お父さん(日本)
Re:椅子の基本のようなシンプルな椅子ですが、座面の前のアールなど
ひと手間かかっていて座り心地もよく、脚を補強するアーチが美しい、
貴重な一脚。

娘さん…お姉ちゃん(イギリス)
華奢なライン、丸く削り出された背もたれがとても優美で
軽やか。おしゃまなお嬢さんの雰囲気。座面は板。

お母さん(デンマーク)
丸脚と布に包まれた背、座がふっくら、とても穏やかで優しい雰囲気の
ソファのような椅子。

息子さん…弟(日本/天童木工)
これから幼稚園というお子さん、まだまだちょっとあぶなっかしいので
肘付きで安定感のあるものを。
座面に取り外し可能なクッションを置いて高さ調節する予定。
茶色のビニールレザーが張ってありました。

・・・

さてさてこの椅子たち、もともとかなり状態の良いものだったので
こうやってみるとこれでもなかなか雰囲気があってよいのですが、
ここはRe:椅子。張り替えて新しい布をまとうことで
座り心地をよくし、生まれ変わらせていきます。

国や年代、テイストを限定せず、私たちがいいなと
思うものを、というのがRe:椅子なので
そのスタイルでバラバラなものを集めてみましたが
きっといい感じになるはず!

長くなったので、続きはまた次回。

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2012-05-12

Re:椅子

相性

「Re:椅子」の中でも
背もたれの無い小ぶりのスツールはいつも人気です。
場所もあまりとらないし、ちょっとした時にあると便利。
見た目もかわいいですしね。

古イス市にむけては、形もばらばらなスツールたちを
何脚ずつかまとめて作業します。
バラして組み直し、綺麗になった骨組みを前に
さて、どんな衣装を着せましょうか。

普通に張り替えてしまうのは簡単ですが、
「魅力ある一脚」に甦らせるには、ここが一番重要で、
一番楽しく、難しいところでもあります。

ある椅子は色を先にイメージし、その色の生地を探しますが
ちょうど良い質感のがなかったり、
またまた、どれをあわせてみても「うーん」となっていたかと
思えば、それ!?というのが意外にぴったりだったり。
すんなり決まるのもいれば、なかなか気難しい子も。
でも必ずぐっとくる組み合わせが見つかるものです。
そうしたらひと安心。

あとは、中にいれる、クッションの厚みや
形のつくりかた、縫製の型の取り方(ミシン目がどこにはいるかとか)、
鋲や飾りのブレードなど最後の仕上げかた。

そのすべてがうまく行くと
くたびれきっていた古いイスが
ふたたび生き生きと、輝いてみえるのです。

この丸脚のスツールには、黒いヌメ革を張りました。
革=高級ではなく、「道具」として気取らず使うイメージで。
仕上げの鋲は、以前張り替えた古い椅子に使われていたのを
とっておいたもの。
今は作られていない少し小さめの亀甲鋲で、
くすんだいい味が出ています。

一点物なので、少ししかない材料を使ったり、
遊び心をプラスして自由に作れるのも
「Re:椅子」の楽しさでもあるのです。

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