村上椅子

2014-01-10

作業風景

1/10 作業いろいろ

年始のお仕事は、年をまたいでお預かりしていたあれこれから。
イスオさんが張っているのは、岐阜から送られてきた
木工家さんの定番スツール。
革を繋ぎ合わせたものを張ります。
ミシンのステッチが、意匠となっています。

そして、山積みのスツールのクッション、
組み立て式の椅子の座面、背中。
それぞれ別のところからのご依頼。

こちらは福岡の木工家さんの椅子の座面。
ヌメ革を張っています。
表にはシワがでないよう、丸みに合わせて
ぐっと引っぱりながら張っていきます。

タッカーの針の外側、余ったシワの部分を
カッターナイフできれいに切り取って完成。
通常はこの上に裏地を張るのですが、この椅子は
きれいな化粧板を使われていて、それを見せる仕上げです。
デンマークの椅子は、このようになっていますね。

どんどんこなしていきますよ。

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2013-12-11

作業風景

12月10日

京都から、近いようで遠い奈良。
現場仕事に行ってきました。

食品工場の休憩室の椅子の張り替え。
休み無く24時間使われているので
一脚ずつ入れ替えながらの作業です。
ホコリ、接着剤の臭いなどあるため、屋外で。

前日までの晴天からうってかわって
寒風吹きすさぶ中での作業。
身体を動かしているので意外に寒くはなかったのですが
途中でまさかの雨が。。。
慌てて屋根の下に移動しつつ、順調に張り替え終わりました。
、、イスオさん、その帽子は工場外では脱いでもいいんよ。

ちょっとした社会見学の気分で工場内を覗かせてもらいました。
これから、一年で一番忙しい時期を迎えられるそう。
きれいになった椅子でほっこり休憩して、頑張って下さいね。

帰り道はこんないいお天気に。
山々が美しかった。
さあて、次のお仕事はなんでしょう。

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2013-10-09

作業風景

きこりいす

座面の張り替えでお預かりしているのは
まるで絵本に出てきそうな、木の椅子。

枝を拾って来て適当に組み合わせたような、
手作り感の溢れる椅子ですが
ちゃんとメーカーのラベルがついていて、
なんとも不思議な感じ。
アメリカのものだそうです。

揃った材料からつくるより
ずっと難しく、手間がかかるんでは??
と思われますが、きっと、きちっと合うということは
そんなに重要ではないのでしょう。
座面のクッション部分も、
取付け部分の幅などがまちまちな、どの椅子にでも合うよう
ラフに張り、ゆとりを持って作られていて、
きちっと作らなきゃという固定概念を覆されるような、
こんなのもありなんだなと思わされるような、
お仕事でした。

でもやっぱり、スキッとピシッと張りたいなあ、、。

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2013-08-22

作業風景

見た目も大事

ひゃー。夏休みのお知らせをしたっきり、
気が付けば三週間も空白が。。
お休みの間は出かけたり、子供が熱をだしたり、
いろいろと片付けをしたり、、で大忙しでした。
みなさま、どんな夏をお過ごしでしょうか。

さて、今日は見た目と中身のお話。

気持ち良く、楽しく生きている人は
どことなく魅力的な表情をしているし、
不満ばかり抱えていれば
ぎすぎすした顔になってしまう。
そのものの本質、内面というものは、
知らず知らずのうちに、外見に出て来てしまうものなのです。

椅子も、おんなじです。

ソファ、椅子の内部は、普通の人には
外からではどうなっているかわかりません。

でも、良いしごとがされていれば、パリッと、なんとなく気持ちよい感じがするし、
下手なひとが手がけたものは、なんとなくあか抜けません。

そして使って行くうちに、どんどん差ができてきます。

良い(適当な)材料を使い、丁寧に下ごしらえしたものは、
長く使っても形が崩れたりしにくい。

手の荒い人や、素材を吟味しないひとが作ったものは、
見た目が不細工なのはもちろん、駄目になるのも早いのです。

特に、昔のバネを手作業で吊るようなしごとでは、
張り替え時にその差がよくわかります。
(使い方や年数にもよりますが)。

上の写真の古い椅子は、表面の生地こそ色あせ、汚れてはいましたが
ピシッととても綺麗な状態を保っていました。
底からバネが落ちているという事も、型くずれもない。
手縫いや細かなところの始末の丁寧さには感心してしまいました。
その仕事に敬意をはらいつつ、丁寧に張り替えさせて頂きました。

・・・

とんで、時代は新しいものになりますが、
こちらの椅子の張り替え前はどうもスカッとしない見た目。
(もちろん座り心地も、、、)
めくってみると、たいそう貧弱なバネが。
そのバネの止め方にも問題があり、
釘がテコの原理でどんどん抜けてきています。
このまま使っていれば、バネが落ちてしまうところでした。
そして、横に渡してあるウェービングテープも、どうしてここまで
というほどに伸びてしまっています。
材料の質の悪さと、それが気にもならない作り手
(もはや「職人」ではないでしょう)。
仕様を考えたひとも、作業をするひとも
何も知らずに作っている感じがしました。

昔の椅子と違って、職人技がそこまでいらないとはいえ
やはり材料の選び方や下ごしらえの丁寧さは
椅子の使い心地や丈夫さに関わってきます。
見えない所だからこそ、しっかり作りたいと思うし、
買うひとにも、その違いを分かっていただければと思っています。

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2013-07-10

作業風景

革張りベンチ

そうこうしているうちに、梅雨明けしたようです。
劇場のための椅子、赤い50脚は全てできあがりましたが
それで終わりではありません。

ロビーの、カフェスペースのために、アーチを描くベンチを
作らせていいただきました。
イメージと、使いたい革をお伝えいただき、
あとはこちらでデザインをご提案しつつ相談しながら進めました。

いろえらび。
ナラ材でのフレーム製作は樹輪舎京都さんに依頼。
着色することで、すこしアンティーク感をだしました。

S字バネをいれて、弾力のある座り心地に。

ヌメ革を張っていきます。
黒に見えるけれど、青みのある濃いグレーです。
厚みを出し、ポッコリした感じに。

縁は、細い革を真鍮の小さな釘で留めていって仕上げました。
手間はかかるけれど、鋲ほどうるさくならず、
きらめく感じが良いです。

三つ並ぶとかなりの風格、存在感です。
全貌は、また後日。

そのほかにも、各所で使う、古い椅子を集めてこられて
アレンジを加えて、張り替えしました。

こちらは、ピアノ椅子。
通常のものより、随分大きめの円だったので、
存在感のあるフリンジを付けてみました。
暗めの照明で見るとちょうど良いのではと思います。

そしてこちらは、ディレクターズチェア。
ちょっと高めのデスクに合わせて、スタッフの方が
劇場全体を見渡すように座られます。
そこで音響を操作したりされるそう。

このあたりの、スタッフ用の椅子は、
先に決まっていた劇場の赤い椅子の生地と、ベンチの墨黒の革
どちらとも違うもので、かつ、ちぐはぐにならないように、
ということで、赤いものと同じ素材で革の色みに近いものを選びました。

まだまだ、あるのですがこのあたりで。
どれもこれも思い入れたっぷりのコダワリの椅子。
劇場の空間に並ぶのが楽しみです。

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