村上椅子

2013-08-22

作業風景

見た目も大事

ひゃー。夏休みのお知らせをしたっきり、
気が付けば三週間も空白が。。
お休みの間は出かけたり、子供が熱をだしたり、
いろいろと片付けをしたり、、で大忙しでした。
みなさま、どんな夏をお過ごしでしょうか。

さて、今日は見た目と中身のお話。

気持ち良く、楽しく生きている人は
どことなく魅力的な表情をしているし、
不満ばかり抱えていれば
ぎすぎすした顔になってしまう。
そのものの本質、内面というものは、
知らず知らずのうちに、外見に出て来てしまうものなのです。

椅子も、おんなじです。

ソファ、椅子の内部は、普通の人には
外からではどうなっているかわかりません。

でも、良いしごとがされていれば、パリッと、なんとなく気持ちよい感じがするし、
下手なひとが手がけたものは、なんとなくあか抜けません。

そして使って行くうちに、どんどん差ができてきます。

良い(適当な)材料を使い、丁寧に下ごしらえしたものは、
長く使っても形が崩れたりしにくい。

手の荒い人や、素材を吟味しないひとが作ったものは、
見た目が不細工なのはもちろん、駄目になるのも早いのです。

特に、昔のバネを手作業で吊るようなしごとでは、
張り替え時にその差がよくわかります。
(使い方や年数にもよりますが)。

上の写真の古い椅子は、表面の生地こそ色あせ、汚れてはいましたが
ピシッととても綺麗な状態を保っていました。
底からバネが落ちているという事も、型くずれもない。
手縫いや細かなところの始末の丁寧さには感心してしまいました。
その仕事に敬意をはらいつつ、丁寧に張り替えさせて頂きました。

・・・

とんで、時代は新しいものになりますが、
こちらの椅子の張り替え前はどうもスカッとしない見た目。
(もちろん座り心地も、、、)
めくってみると、たいそう貧弱なバネが。
そのバネの止め方にも問題があり、
釘がテコの原理でどんどん抜けてきています。
このまま使っていれば、バネが落ちてしまうところでした。
そして、横に渡してあるウェービングテープも、どうしてここまで
というほどに伸びてしまっています。
材料の質の悪さと、それが気にもならない作り手
(もはや「職人」ではないでしょう)。
仕様を考えたひとも、作業をするひとも
何も知らずに作っている感じがしました。

昔の椅子と違って、職人技がそこまでいらないとはいえ
やはり材料の選び方や下ごしらえの丁寧さは
椅子の使い心地や丈夫さに関わってきます。
見えない所だからこそ、しっかり作りたいと思うし、
買うひとにも、その違いを分かっていただければと思っています。

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