2020-01-24
最近の張り替えから。
肘つき椅子の張り替えご依頼(張り替え後の写真)。
釘や詰め物、作りを見ると、かなり古いものと思われます。しっかり丁寧に作られていました。今でもあるようなシンプルで細身の木枠ですが、いい味がでておりなんというか密度が違うというか、重みもしっかりとあって、新しいものでは出せない雰囲気ですね。いつものことで、撮ったはずの張り替え前写真が見当たらないのですが、、座面のゴムテープも伸びきって下に落ち、かなりくたびれた様子でした。
座面、背もたれともにS字バネを入れ、しっかりした座り心地に生まれ変わりました。
張り地はお客様ご希望の、ミナペルホネンのタンバリン柄。色味もフレームとぴったりです。
限られた生地の分量の中で、どういう柄の出方にすれば椅子が綺麗に見えるか考えつつ、座面から背もたれ、背裏までの柄のつながりも配慮し、2脚とも同じように取る。生地を広げてからいざ裁断するまでにはかなり時間をとりました。前にも書いたかもしれませんが、円に見えるけれどやや縦横の長さが違い、生地を同じ方向に取らないと少しずつ柄がずれていくので、それも要注意です。
出来上がってみれば別に気にならないところかもしれませんが、作り手としては柄が揃ってないとすっきりしない。そんなもんです。
ご依頼ありがとうございました。
2019-06-22
まるい椅子の張り替え
ふっくらお餅みたいな、まるいスツールの張り替え依頼です。
裏返すと、、
ピンクだったのね、あなた。
お客様持ち込みの、素敵なタンポポの柄の刺しゅうの布で張り替えです。
厚みのある丸っこい形のため、柔らかい生地でないとうまく馴染まず丸い形が出ないのですが、側面(一番出っぱっているところ)でシワを寄せて、なんとか目立たない程度にいけました。
ガニマタに、丸いキャスター、なんとも言えない愛嬌のある椅子です。
2019-02-27
座面張替
ダイニングチェアの張替ご依頼。
クラシカルな雰囲気のアメリカの椅子、大ぶりで背もたれも高いです。
張替の際、布などの張り地はこちらに用意しているサンプルの中から好みのものを選んでいただくのですが、持ち込みされる方もおられます。今回は、ご自身で刺繍したものを張ってもらいたいということで、一緒に送ってこられました。
・・
くたびれていた中身も新しくして、張り上がり。
クロスステッチで細かく刺された作品、普通の椅子生地よりもずっしりと厚みのある張り地となっていました。花の模様のところだけでなく、紺と白の部分もびっしりとですよ。4脚分となると、気の遠くなるような作業!
暇つぶしです、と謙遜されていましたが、とんでもない。納品時にはアップリケ刺繍の素晴らしい作品も見せていただき、わ〜、へえ〜と感心しきりの私たち。椅子というざっくり大きなものを扱っている私には、細やかな作業が眩しく見え、何か作りたいなあと刺激をいただいて帰って来たのでした。
ご依頼、ありがとうございました。
2019-01-30
デイベッド
暖冬とかいう話でしたが、1月になるとしっかり空気は冷たく、朝寒い寒いと自転車をこぎながらやっぱり冬はこうじゃないとね、とも思うこの頃です。今年は五本指靴下を重ねばきしているおかげか、小学生の頃から悩まされ続けたしもやけから解放され、もっと早くこうすればよかった!と、足の冷たくない快適さを喜んでいます。どうでも良い話ですみません。
さてこちらは先日アンティークショップさんの依頼で修理したデイベッド。普段はソファとして使い、ベッドにもなる、というものです。
ゴムのテープが劣化していたので、全て取り除き、ウェービングテープを縦横に張りました。
縁のタッカーの針を持ち込みのアンティークの麻テープで隠して。赤いラインが可愛いですね。
そして、マット(クッション)がなかったので、新しく作りました。
カバーは厚手の椅子生地で。フレームともに、きわめてシンプルな作りですが、すっきりいい感じ。背もたれにいろいろなクッションを並べたら素敵ですね。
作業場がせまくて写しきれません。
2018-09-26
CH30
Hans J Wegner デザイン、Carl Hansen & Son社の”CH30”の張り替えご依頼。
飴色に育ったフレームがいい感じです。一見普通のダイニングチェアに見えるのに、この座り心地の良さはなんでしょう。横に広い座面でゆったり座れることに加え、背もたれのアールの具合や微妙な角度、高さ。いろんな体型の人に対応できるように計算してデザインされているのでしょうね。そしてなんてことないけれど、美しい。
さて、裏側はこんな感じ。
座面の底の板は裏生地で隠さないのが、デンマークの椅子です。
布はほつれてこないよう、縁を折り曲げて打ち付けてあります。が均一に引っ張りながら釘で止めるのはなかなか難しかったのかそれともそんなことは気にならないのか、かなりラフな仕上がりですね。
中身のウレタン。
かなりボソボソになっていて、こんなお菓子あったなあと。
全てスッキリ取り替えて。お客様のご指名の、dopタンバリン柄(ミナペルホネン)で張りました。
この生地、表がピンク、裏は紫! いつの日かピンクの表地がかすれてきて下から紫色が出てきたら、どんな風になるのでしょう。
座面底の仕上がり。今はタッカーがあるので釘より大分楽ですが、よくある椅子と違って座面が本体から外れないので、なかなか張りにくいのです。
そして、完成した図を撮り忘れました。。ここまで書いておいてすみません。
ぱっと目を引く可愛らしい椅子になりましたよ。
(9/27追記)↓↓↓
日記をご覧になったお客様が写真を送ってくださいました。
ありがたいです!