2006-01-10
古いいす張り替え
きょうのしごとは古いイスの張り替え。
生地は長い年月を経て色褪せ、傷んでしまっていますが、肘や脚の木部がなめらかなカーブに削りだされた、シンプルながらきれいなかたちのイスです。
底を見てみると、麻のテープが切れてしまって、それにとめてあったコイル型のバネもバラバラになっています。
ということで生地を剥がしてまるはだかにしていきます。
現在はウレタンを使ったイスが主流で、バネを吊ってあるイスを張り替えたりすることはあまりありません。うちに来てくれている材料やさんによると、京都より椅子屋が多い大阪でも、そういう椅子を張り替えられる若い人はいないんじゃないかという話。まだまだ若造な私もやったことありません。いすおさんは貴重な人材なのね。
こういうイスはすべて釘でとめてあります。口に釘を含んで一つづつ『いすや金づち』と呼ばれる片方がマグネットになった金づちに付けて打っていくのです。
金づちと釘のかわりにタッカーという便利な道具ができたり、ウレタンという新素材が普及したことで、必要とされる職人の技も変わってきました。でも、椅子張り職人と言えるには、そういうことも出来ないと…。
まずは技は見て盗めですね。がんばります。
2005-10-13
巨大ソファ完成
ここのところ、私達を苦しませていたのは、このソファ!
今日、やっと張り替え終わりました。
スイスの高級ソファメーカー、deSede社のものです。(裏のシールが本物ならば)。
ファスナーで約30cm幅のソファ27個を連結して、なが~いソファにするのですが、茶色の少し艶のある合皮で張ったので、まるでむかでのようなちょっと異様な雰囲気。
依頼先には同じものがもう1台(27個)あり、緩くカーブを描いて並んでいる様は圧巻です。
これでやっと、11月の展示会に向けて製作、といきたい所ですがまだもう少し、無理そうです。
間に合うのか?!
2005-09-18
おばあちゃん椅子 その2
やりかけたままになっていたおばあちゃんの椅子のその後。
白と薄い黄緑の合皮で2脚ずつすっきりシンプルに張りました。
残る2脚はもらえることになったので、1脚ずつ好きな生地を選んでみました。
Kさんセレクトはあやしげな紫の花柄のモケット(毛布みたいな肉厚の生地)、私は白っぽいベージュに茶がまざったナチュラルな感じの布。
自宅は椅子だらけだけど、食卓用のまともに座れるものは2脚しかなかったので、やっとこれでお客さんにも座ってもらえるようになりました。
ますます椅子屋敷です。
2005-09-10
イームズいす
前に書いた、頂戴してきたハ-マンミラー社の椅子が、こんなふうになりました。
張り地は、以前デンマークに行った時に生地やさんで見つけ、スーツケースに詰め込んで持って帰ってきたもの。写真ではよくわかりませんが、こげ茶色をベースに薄ーいそらいろとピンクの丸が並んでいる柄です。無地もいいですが、こういうふうに柄があるのも、なめらかなかたちが引き立ってなかなか良いです。
本来の仕様では、かたいゴムのチューブようなものに生地を縫い付けて、それをフレームの縁にはめてとりつけてあり、座の下と背の後ろ側には生地が張られていないのですが、特殊なミシンがないと同じようにはできないので、そこにも布を張り、縁で手縫いをして仕上げています。
張り替えたKさんによると、その手縫いがいちばん大変とのこと。
修行中の私にはまだまだうまく出来そうにありません。
村上椅子のページ
2005-09-05
おばあちゃん椅子張替
おばあちゃん家でずーっと使っていた椅子です。
何脚かは脚を切られて不思議なバランスになっているけど、そこがまた愛嬌があっていい。
片手で軽々持ち上げられるところもいいし、あらためて見てみるとなかなか素敵。
ただ、古くなって座面の板が割れてきているので、張り替えることになりました。
まず、ビスで留めてある座と背中の張り部分を取り外し、木枠だけにします。
脚の接合部分に隙間ができてしまっているので、接着剤を入れて、もう一度締め直します。
背中の板はまだしっかりしているので古い生地を剥がしてまた使い、座面だけ新しく合板を切って、ウレタンフォームで肉付けします。
今日はここまで。次はいよいよ張っていきます。
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