2008-11-11
後ろ姿
気がつけばもう11月もなかば。
京都市内の木々も赤や黄色に彩られてきて、秋は駆け足で冬に向かっているようです。
さて、今回張り替えたのはこんな古い椅子。
こちら)
ご実家で昔から使われていた椅子を持ち込まれました。
古い生地(色あせてますが日焼けしていない部分をみてみると
鮮やか目の緑に黒の模様&金色のラメ入りと、なかなか見ない派手な生地)
をめくってみると、これまたこういうタイプの日本の椅子では
あまり見る事の無い、馬毛がクッション材として入っており、
バネも大きいものが沢山使われていました。ずっしり重たいわけです。
張り地を決めるとき、最初はシンプルなかんじのブルーか茶色系の無地を
考えていらしたのですが、お話を進めるうちに、選ばれたのはこれ!
2008-06-27
ローズウッドの椅子
今や稀少なローズウッドをフレームに使った椅子の張り替えです。
何十年も前に京都の老舗の家具屋さんで購入されたそう。
張り替えのしごとをしていると、そういう普段お目にかからないような
椅子に出会えるのが楽しみでもあります。
その分、今買おうと思っても手に入らないものだけに、
(もちろんその家の歴史もつまっているわけですし)気も使います。
この椅子は本体フレームに座と背のクッションがおいてあるタイプで
肘の下の部分にはクッションと同じ革を張ったパネルがぴっちりとはまりこんで
いました。
椅子の張り方というのはだいたいパターンがあるので、経験上
これはこうやって分解するのだなとか、めくっていくのだなとか、わかるものですが、
このパネル、フレーム下から留めてあるビスをはずしても取れない!
おかしいなあ、他にもどこかでとまっているのかなと、いろんなところを分解…。
結局は長年の使用で革がフレームとぴったり張り付いていていただけでした。ほっ。
2008-06-18
6月18日
月曜日、店は休ませて頂いて、久しぶりの現場仕事にいってきました。
備え付けのソファなど持って帰れないイスを、現地に出向いて張替えるのです。
もちろん事前に寸法や型をとりにいって、ウレタンの加工や張り地の
裁断縫製など準備しておき、後はめくって張るだけ、
という状態で臨むのですが、予期せぬ事態(サイズが違う!とか)
が起こりうるので、いつもあらゆる道具や材料を車に積み込んでいきます。
なので、けっこう大仕事。
さて今回の現場はとある飲食店の待合室。
部屋の二辺にびっちりとソファが造り付けてあります。
座だけははずれるのですが、5m程あるL字型で1人ではちょっと
手に負えないということで、私もかりだされました。
しっとりとした和風建築、簾の向こうには緑のお庭が見えて
いい雰囲気です。でも、ソファがちょっとぼんやりしてますね。
、、、それが
2008-06-09
思い出のつまった椅子
このソファ、こどものころからご実家で使われていた中の一脚を、
張り替えて使いたいというご依頼で、うちにやってきました。
まるっこくて懐かしい感じのかたちです。
今はあまり見られませんが、こういう肘のない1人掛けと、
片方に肘の付いているのとを何脚か組み合わせて並べて使う、
というタイプのものが一時期よくみられたようです。
さて、座面がやぶれてしまっていて、クッションもへたってしまっているので、
総張り替えです。柔らかな座り心地を気に入っておられるとのことで、
あまり硬くなり過ぎない程度にバネ、ウレタンを補強。
せっかく張り替えるのだから雰囲気を変えたい、でも面影は残したいとの
ご希望で、悩んだ末に選ばれたのは渋い紫とベージュ系の2色で張りわけるという
ちょっと凝った張りかた。そして、雰囲気を残すために、太いパイピングが回って、
側面に大きなボタンが留まっているという仕様は、そのまま同じように張り替えました。
2008-04-08
「空」の椅子
今回椅子をお届けしたのは、京都駅近くにあるレンタルスペース「空(くう)」。
お友達から譲り受けられた古い椅子の張替え依頼です。
先月お引き取りに伺って、まずびっくり。
木の香りの漂う明るい広々としたこのスペース。実は、ビルの中にあるのです。
簡単にご説明すると、ここは京都の森を守る活動の一つとして、
京都産の木材を使ったリフォームなどを提案されている
モデルルームでもあるのです。詳しくはこちら
床なんかは、10センチ角はあろうかという角材が並べられていて、
冬でもあったかいそうです。
そんな空間で、ヨガなどの教室も開催されています。
参加したいなあ、、。
、、、話が長くなりましたが、椅子の張替えのはなしに戻ります。
この椅子、座るところの布がぱっくりと裂けてしまい、
中身の藁やら綿が見えている状態でした。
流線型の柔らかい雰囲気が可愛らしく、小振りなサイズも
今のものではあまり見かけません。
もう一度甦らせようということで、ご依頼がありました。
生地ももとのものに近いあったかいオレンジ色を選ばれ、
クッションも新しいものに入れ替えてありますが、同じシルエットを再現しました。
村上椅子のHPはこちら