村上椅子

2023-07-06

張り替え

Marenco 張り替え

家具ブランドArflex社のmarencoを張り替えました。

ボリュミーで丸っこいフォルムが可愛らしいこのソファは、イタリアのデザイナー、マリオ・マレンコ氏の一瞬のスケッチから生まれたそう。
発売から50年以上のロングセラーということで、私たちのところへも時々、張り替えやカバーの新調のお問い合わせをいただきます。

くたびれてますねえ。
取り外してメンテナンスしやすいように、カバーリング方式になっています。
が、数十年も使われるとやはり中身も劣化していて、カバーの交換だけでは安心してお客様へお返しできません。

まず中材のウレタン。このソファは基盤になっているフレームは一部分で、ほぼウレタンの塊でできているので、どうしても背もたれや肘の角っこなど上から力がかかる所が崩れてきています。表面上は大丈夫そうでも、外側のウレタンをはがしてみると、中のウレタンは粉々になってしまって空洞ができていました。オリジナルのような大きな塊のモールドウレタンはメーカーさんでしかつくれないので、一部切り取って、硬さが同じようなウレタンを足して補修します。

 

そして、それを覆う下地の布も劣化して破れてしまっているので、ダメなパーツは張り替えます。

 

ここで、ようやくカバーの製作へとりかかります。長年使われてきたカバーは伸びていたりするので、既存のもののサイズを拾いつつソファ本体も測って、新しく型を取り直し、裁断、縫製。背もたれ、肘は底で紐で縛る仕様にし、座面はマジックテープとジャンパーホックで固定しました。

かなりのボリューム。狭い作業場では、全部並べても写真におさまりません。。

正規品はヌードカバーのような生成りっぽいもの1種類しか販売されていないようですが、オーダーでお作りするので、お好きな色や質感の生地が選べます。
遠方のかたは運搬に費用がかなりかかってしまいますので難しいかもしれませんが、京都市近郊のかたは、ご相談ください。カラーリングを楽しんで、一つしかないマレンコとして生まれ変わらせることができますよ。

2023-06-06

張り替え

GE258 デイベッド張り替え

Hans J Wegner のGE258   デイベッドの張り替えご依頼。

背もたれを上にあげると、中にスペースがあり、ブランケットなど収納できます。広々としたシートはベッドとして使える機能的なデザインです。

今回は、座面の汚れが気になるとのことで、座面のみの張り替え。
クッションが柔らかくなっているのも気になったので、補強もしました。

肘、背もたれを外しして古い布と針、クッション材を取り除きます。

コイル状のバネがたくさん並んでいる構造。バネはしっかりしていましたが上に張ってある麻布が破れていたのを更新しました。

しっかりしたウレタンを入れて、生地を張ります。

明るい緑みの水色に張り替えて、さっぱりと爽やかに生まれ変わりました。

リノベーションされたお宅の雰囲気にもぴったりで、ご満足いただけたようです。

この丸脚のデザインのものは、初期のタイプで今はなかなか入ってこないそう。
お手入れしながら(しかもイメージチェンジもして)長く使い続けられるっていいですね。

ご依頼いただき、ありがとうございました。

2023-02-11

張り替え

ソファ張替え

日記を更新したつもりが下書きのままになっていたことに、三週間たって気がつきました。
もう2月も半ばです、、

年をまたいだお仕事は、大きな3人掛けと1人掛けソファの張替え。

年月を経て、かなりクッションも生地もくたびれていました。
本体も面ファスナーで着脱できる、カバーリングタイプとなっていましたが、外すことはないとのことで、張り込みに変更。
沈み込みがかなり大きかったので、座面クッションは新調してしっかりとした座り心地にしました。

(写真ではあまり違いがわかりませんね。。)

もともとは赤いソファが色あせていたのですが、雰囲気を変えることなく部屋に馴染む明るいオレンジの生地を選ばれました。

シンプルに見えてよく見ると細かくぽこぽこしていて、こざっぱり気持ち良い布です。
防汚、撥水加工がされていて、汚れても洗剤で洗って拭きとれます。

・・・

納品先のお家は、すてきなログハウス。

また、元どおりぴったりと収まりました。
クッションの硬さ、ドイツ車みたいですねとお客様。確かに。そこから同じ車に乗っていたことなどもわかり、ひとしきり車の話で盛り上がりました。

早速ねこちゃんが気に入ってくれたそう。爪は研がないでね!!

2022-11-05

張り替え

スワンソファ張り替え

FRITZ HANSEN社、スワンソファの張り替え依頼です。

スワンソファは、アルネ・ヤコブセンが1958年にコペンハーゲンのSAS ロイヤルホテルのためにデザインしたソファ。
曲線で構成されるフォルムはシンプルながらどの方向から見てもとても美しく、洗練されています。

早速脚を外して、裏側から古い生地をはがしていきます。

表面の綿やウレタンもはずして、すっきりとベースだけになりました。

凹みなどを補正したのち、新しいウレタンで覆い、布を張っていきます。

まずは背から座、アームの内側までの、表側を曲線になじませながら一枚の布で包むように張ります。
それから背と座面の裏側も、ぐるっと一枚の布で覆い、表の生地と裏の生地の境目を手縫いでつないで仕上げていきます。

赤い生地も美しいかたちが際立って素敵でしたが、今度はがらっと雰囲気を変えて空色に。
デンマーク DANISH ART WEAVINGのウールはなんともいえない絶妙な色合いとふわっとした質感が素晴らしく、さすがにこの椅子にとてもよく似合っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

ご依頼いただき、ありがとうございました。

 

白いソファ張り替え

ソファの張り替えご依頼です。

11年ほど前に、建築家さんからのご縁で注文製作したソファ。
合皮が劣化して破れてきてしまったとのことで、久しぶりの再会です。

今は完全なオーダーメイドには対応していないのですが、当時は、海外の有名ブランドのものではサイズが大きすぎて体格や空間に合わない、といったご要望が多かったため、一からお作りすることが時々ありました。

同じような、白に。
今回は、張り替えと同時に、高さを並べて置いているソファに合わせたいとのご希望で、背を5センチほど低く作り直しました。

 

w1750mm。ゆったりと上品な雰囲気、どっしりした重みと高級感を持ちつつ、奥行きを少なめに設定することで使い易いサイズとなっています。カクっとした見た目ですが座面にはスプリングが内蔵されているので、程よく柔らかく心地よいです。

改めて昔の仕事を目にして、自画自賛とはなりますが、シンプルながらじっくりと真面目に作られたソファだなという感じを受けました。

すこし前にも、17年前にオーダーで製作したソファの張り替え依頼がありましたが、そちらもとても座り心地も良いし思い出もたくさんあるからずっと使い続けたいとおっしゃっていただきました。

直しながら使い続ける暮らしをもっと広めたい、そしてずっと使い続けられるもの、使い続けたいと思うものを作りたい、という思いをもって20年前に始めたことが、少しずつ根を張って、こうして続けられていること。そして、張り替えという機会に手がけた椅子に再会できることで、長くご愛用いただいている様子をじかに感じられるのも、とても嬉しくありがたいことだなあと思ったのでした。