村上椅子

2012-10-27

張り替え

土手

アンティーク調の椅子の張り替えご依頼。
ダイニングチェアとしてお使いで、かなりくたびれた様子です。

めくると、こんな「土手」が現れました。

「土手」というのは、椅子のふちが崩れて来ないように
ぐるっと回してある、芯のような部分。
この椅子のモデルとなっている、
フランス、ロココ調のアンティーク椅子では、
獣毛をヘッシャンクロス(荒い麻の布)でくるんで
太い糸で縫い留めていく「ソク土手」という技法が使われてきました。
ちょうどよい画像がないため、日本式の、藁をヘッシャンクロスでくるんだ
土手の画像をのせておきます。

この技法はたいへん手間暇がかかり、技術もいるため、
量産向けに日本のこのメーカーは、上のようなゴムで成型した「土手」を
使っていたようです。
これならタッカーでパンパン、、ととめたら済むので
とても効率がよいのです。

でも、やっぱり耐久性ではかなわないようですね、
こんな有様に、、。

このかわりに新たに土手を巻くのは難しいため、
固いチップウレタンで土手をつくりなおす方法をとりました。

フランスからきた、モケット織の花のようなモチーフの並ぶ、
上品でかわいらしい生地がよく似合います。

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