2012-05-12
相性
「Re:椅子」の中でも
背もたれの無い小ぶりのスツールはいつも人気です。
場所もあまりとらないし、ちょっとした時にあると便利。
見た目もかわいいですしね。
古イス市にむけては、形もばらばらなスツールたちを
何脚ずつかまとめて作業します。
バラして組み直し、綺麗になった骨組みを前に
さて、どんな衣装を着せましょうか。
普通に張り替えてしまうのは簡単ですが、
「魅力ある一脚」に甦らせるには、ここが一番重要で、
一番楽しく、難しいところでもあります。
ある椅子は色を先にイメージし、その色の生地を探しますが
ちょうど良い質感のがなかったり、
またまた、どれをあわせてみても「うーん」となっていたかと
思えば、それ!?というのが意外にぴったりだったり。
すんなり決まるのもいれば、なかなか気難しい子も。
でも必ずぐっとくる組み合わせが見つかるものです。
そうしたらひと安心。
あとは、中にいれる、クッションの厚みや
形のつくりかた、縫製の型の取り方(ミシン目がどこにはいるかとか)、
鋲や飾りのブレードなど最後の仕上げかた。
そのすべてがうまく行くと
くたびれきっていた古いイスが
ふたたび生き生きと、輝いてみえるのです。
この丸脚のスツールには、黒いヌメ革を張りました。
革=高級ではなく、「道具」として気取らず使うイメージで。
仕上げの鋲は、以前張り替えた古い椅子に使われていたのを
とっておいたもの。
今は作られていない少し小さめの亀甲鋲で、
くすんだいい味が出ています。
一点物なので、少ししかない材料を使ったり、
遊び心をプラスして自由に作れるのも
「Re:椅子」の楽しさでもあるのです。