2017-06-22
「空間現代」の椅子
昨年東京から京都に拠点を移されたバンド、「空間現代」さん。その事務所の椅子を見繕ってほしいと依頼されて早数ヶ月、ようやくすべて整って、無事納めてきました。
まず長く低いテーブルがあり、それに合わせた椅子を4脚欲しいとのこと。ちょうどタイミングよく仕入れた椅子(下の写真)があったのでご提案しました。
喫茶店かどこかで使われていたのでしょうか。小ぶりな丸い椅子です。
このレトロ感も良いですが座り心地もアップさせたいのでちゃんと張り替えます。脚もカットしました。
色柄、素材感はゴージャスだけど丸っこいかたちのおかげで可愛らしい椅子に。このモケット生地、今まで使ったどれよりも分厚くまるで絨毯のよう。なかなかの存在感です。
お揃いで、お持ちだった肘付き椅子も張り替えました(写真一番上)。ハイバックだったのですが全体のバランスをみて、背もたれのフレームをカットして低くしています。
そして、窓際には長い机に合わせた長いベンチを。
こちらはもともと板張りだった古いベンチをリメイク。塗装もやり直し、クッションをいれて黒いヌメ革をランダムな幅で縫い合わせて張っています。縁はきらきらと細かい真鍮釘で仕上げました。
ワンフロアの半分側はデスクの並ぶ事務スペース。すぐ隣り合って同じ室内にありながら、全く異質な雰囲気をもつ空間が出来上がりました(全体像を取り損ねましたが、、)。
さらに、これらの空間をまとめるものとして、窓一面の大きなカーテンも製作しました。
高さ180cm幅470cm(おおよそ)の広い窓。かなりの面積を占めるので責任重大。
光を通しすぎず、遮りすぎない程よい厚みの白い麻(リネン)をポジャギのように縫いつないで、アクセントに椅子に使った花柄の生地と黒い革とを所々に縫い付けています。
そうしたことで、光を通さないところと白いパッチワークの縁取り、そして窓のサッシの影が合わさってできるリズムがとても面白い効果を生み出しています。
といっても椅子屋なので、カーテンを納めた経験はほとんどなく、吊り下げた時の長さがどうなるか少し心配していたのですが余裕を見ていたのがちょうど良い塩梅で一安心しました。カッコよかったなあー。
空間現代さん、明日から4日間(6/23~/26)、以前椅子をいろいろと納めさせていただいた、劇場アンダースローで公演の「ファッツアー」で音楽を担当されます。また、7月には運営されるライブハウス「外」にて上演があるそうです。興味を持たれた方はぜひこちらを。