村上椅子

2008-07-22

作業風景

つつむ

得意先のかたに、さすがイス張り職人さんは梱包するのも上手ですね、
と言われたことがあります。
丸っこい椅子を包もうとしたら難しくて、同じようにはいかなったそう。

そう言われてみれば椅子を張るのはラッピングするのと
似ているところがあるような気もします。
型をとってミシンで立体的に縫って被せる場合は別として、
立体を一枚の布で包むのですから、どこでどの程度ヒダをよせ
とめていけば、美しく仕上がるか、ということが重要。
時には仮どめをしながら生地の配分を考えて包んでいくわけです。
そんなやり方が、無意識に梱包にも生かされているのかもしれません。

さて今張っている椅子の座面は相当厚みがあります。
厚ければあついほど、表にシワを出さずにつるっと張るのは難しい。
ある程度の厚みからは、わざとヒダをとって張るのですが(その方が綺麗)
今回は表側はつるっと丸くというご要望。
ぎゅっと引っ張り、裏側で均等にヒダをよせて、生地の余分が出ないよう
張っていきます。これはニット系の相当柔らかい布でないと不可能。
ぽこっと丸く可愛らしいスツールができあがりました。
(写真撮るの忘れましたが)
それぞれの椅子の形状に似合った(向いている)張り地を選ぶのも
大切なのです。

村上椅子のHP