村上椅子

2006-03-11

作業風景

椅子の中身


今日は椅子に使われる材料の話を。
ソファや椅子は生地に覆われているので、その中がどうなっているのかあまり知っている人はいないと思います。
以前はコイルバネに馬毛や椰子の繊維などが被せられ、クッションをかたちづくっていたのですが、ウレタンフォームの出現以来、それらの天然素材はすっかり姿を消してしまい、日本ではほとんど入手困難になってしまいました。
それは、ウレタンフォームを使う事で、簡単に同じ形の物を大量生産できるから。確かにソファに肉付けするのも、硬さや種類の異なるウレタンフォームを組み合わせる事で簡単にできます。手間がかからないということは、安くできるということ。
しかし、一見分からなくても、座り心地や耐久性は全然違います。

今回は、かろうじて手に入る天然材料である、パームロックを使ってみました。
これは椰子の繊維を天然ラテックスで板状に固めたもの。
通気性、濾過性もよく虫害の心配がないという優れものです。
バネの上にのせ、綿を被せて生地を張りましたが、なかなかしっかりとした座り心地。
コストもかかってしまうため、天然素材だけを使うとなるとなかなか難しいですが、これからもっとこのような素材を活用して、長く使える椅子を張っていきたいと思っています。

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