村上椅子

2019-03-26

おしらせ

赤い椅子 その後

演出家の三浦基さんが岩波書店から本をだされました。
表紙には、もはや懐かしい赤い椅子たち。

突然、店を訪ねてこられたのは2013年の春でした。主催される劇団「地点」のアトリエ兼劇場を作りたいから古い椅子を全て同じ赤で張った椅子が欲しい、しかも40脚ぐらい、というお話。ちょうどそのすぐ後に福岡での古イス展を控えていたため、最初は、ちょっと難しいですね、、とやんわりお断りしたつもりが。

福岡から帰ったら様々な古い椅子が届く届く。せっせと集めて来られて、こちらもこれはやるしかないと、腹をくくり、劇団の俳優さんたちと一緒に最終的には50脚ほどリペアしたのでした。それはそれは大変でしたが、楽しいお仕事として、今も心に残っています。

地点さんの「演劇」。普通に想像する劇とは、少し違います。不思議なトーンで早口でしゃべりまくったり、たしかに「わからない」。でも、劇場アンダースローはそれを体験しに行きたくなる場所です。ズラッと並んだ形も時代も様々な赤い椅子たちが、それに一役買っていると思います。本の中には椅子のこと、そしてちらりと村上椅子のことについても載せていただいています。ありがたいです。

劇場には下の子が生まれてからなかなか脚を運べずにいるのですが、まずはこの本を読んで、訪ねる機会を伺いたいと思います。

 

*やっぱり悲劇だった
「わからない」演へのオマージュ

三浦基 著  / 岩波書店