村上椅子

2021-08-26

雑記

素材のはなし〜アップサイクルフェザー〜

クッションの素材には、ウレタンフォームや綿、羽根(フェザー)を主に使っています。今回はフェザーのお話を。

フェザーは、衣類やお布団のダウン(水鳥の毛のふわふわの部分)とは違い、芯のところまでを含むものです。これは家具用では柔らかさだけでなくある程度のコシが必要なためです。背もたれに使うと沈み込みがちょうど包まれるような感じで、ウレタンにはない良さが出るのでオススメしています。

フェザークッションはサイズを指定して特注で作ってもらっています。これまで何社かを経て、数年前からいろんな要望にも答えていただける山梨のメーカーさんに落ち着いていました。そちらから、今年に入って嬉しいニュースがありました。古くなったダウンなどのリサイクルは数年前から大手の衣料ブランドでも聞かれるようになり、世界的な流れとなってきましたが、フェザークッションのオーダーにも、再生フェザーを使うシステムが整ったとのこと。つまりこちらで注文するときに新しいフェザーだけでなく、再生のものも選べるようになったということです。

この再生フェザー、メーカーさんではアップサイクルフェザーと呼んでいます。アップサイクルとは持続可能なものづくりの考えの一つで、従来のリサイクル(再利用)ではなく、元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すことを目指しています。(これって私たちが10年以上前からやってきた、Re:椅子のことではないですか!!)

綺麗に洗浄してゴミなどを取り除き、高温で乾燥させて再生させるので、もちろん衛生面は問題ありません。ものを長く使うというコンセプトは私たちがずっとやってきた椅子の張り替えと通じます。そして、環境に優しいということだけでなく、他にも良いところがあるんです。

実はフェザーを使う上で前から気になっている点がありました。先ほど書いたように鳥の羽根の芯のところを含んでいるので、どうしても独特の匂いが残ってしまうんです。これはメーカーさんにより差がありますが、新しいものは特にですし、後々も特に湿気の多い日などには匂いがすることも。それが、アップサイクルフェザーでは気になりません!ずっと使われてきたものは匂いが抜けているので、解消されるんですね。

それから、羽根の芯の部分はもともとはまっすぐなのですが、使われるうちにカーブしてきて、クッションに詰めたときに良い弾力が出て使い心地もよいようです。

良いことばかりのアップサイクルフェザー、進んで使っていきたいなと思っています。

椅子を張り替えるという仕事で、少しは地球に優しい生き方のお手伝いができるかなと思ってやってきましたが、張り替えるだけでは追いつきません。作業ではたくさんのゴミが出るのも気になります。
せっせと残った布を捨てずにカバンやクッションにして使うのも限度があるし、、使う材料ももっと地球に優しいものにしたいなと常々思ってきました。次は、植物原料で出来た地球に返るウレタン、使えるようになったらよいのにな。開発、普及させてほしいです。