村上椅子

2012-11-20

注文製作

リネンのソファカバー

フレームの曲線の美しい、ソファ。
アイボリーの生地で張られていて、とても素敵なのですが
小さな男の子がいるお宅、こどもはとんでもないことを
やらかすものです。せっかくのソファが台無しになる前にと
カバーの製作をご注文いただきました。

生地はナチュラルな色のリネンをご希望。
ご自身のインテリアに対するしっかりとしたイメージをお持ちのお客さま。
リネンの色ひとつとっても微妙なニュアンスに敏感です。
これがいい、とおっしゃったものがカバーにするには薄かったため
その生地の色み、織りの感じを手がかりに、カバーに出来る厚みのあるものをと
布やさんをいくつもあたって、ようやくこれだというものを見つけました。


サンプルをいろいろ合わせてみてかなり悩む。
自然光のあたるところで見てみたり、離れてみたり、角度を変えたり。

さて直線で構成されたソファだと話は簡単なのですが
このソファの美しさを生かして、カバーをするとなると
なかなか難しいものです。

まずは全体を大きく眺めてみてどのような位置でつなぎ目をいれ、
どういうバランスで仕上げるかをイメージし、デザインを考えます。
肘から背もたれに繋がるラインをきちっと出せるように、
その部分にパイピングを入れることでイメージは固まりました。

まるでオーダーメイドの洋服を作っているように
(どのようにするのか見た事はないですが…)
まず別の布をあててマチ針で仮どめしながら型をとり、
そこからお洗濯したときの多少の縮みを考慮して
少しだけ大きく型を直してそれぞれのパーツをつくり、
その型をもとに裁断、縫い合わせていきました。

ソファ本体はすっぽりと服を着たような感じにし、
別置きの座面のクッションも同じ布でカバーしました。

肘の先は、まどを作ってフレームがちらりと見えるように。
カバーを被せたときに位置の目安にするためと、
固い所があるのをお子さんがわかるようにとのふたつをかねています。

後ろはかわいらしくリボンでとめて。
縮んだりした時に融通がきくようにしました。

リネンは洗うことで風合いの変化も楽しめる素材です。
これで心置きなく、お使いいただけそうです。

・・・

とても喜んでいただけて、ほっと安心した帰り道。
今回初めて通った阪神高速7号北神戸線、
秋空に山々の紅葉が美しく、気持ちよいドライブとなりました。

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